東大 機械工学科 院試 自分の勉強法とかまとめ
完全にこのブログの存在忘れてました。とむはま(@tomu__hama)です。
工学系研究科機械工学専攻の院試終わりました。とりあえず筆記試験は合格して挨拶だけの面接も終了しました。今は本合格発表待ちの期間です。
院試勉強クソ辛かったし折角なので残しておきたいな、と思ったので来年度以降受ける人のためにも自分の勉強法とか院試について調べたことをここにまとめておきます。
院試の構成
教科 : 配点/時間
1日目
英語 : 300点/9:00~11:30(TOEFL iBT事前提出の人は受験する必要なし)
数学 : 300点/13:00~15:30
2日目
機械工学(第1部) : 360点/9:00~11:00
機械工学(第2部) : 540点/13:00~16:00
1日目は工学研究科の共通科目です。2日目は専門科目5教科で、各教科180点満点です。第1部が熱工学と流体工学の2科目、第2部が機械力学&制御工学、材料力学そして生産設計工学の3科目となってます。
合格点は過去の結果を見ると1500満点のうちだいたい600~700点ぐらいになっています。5割くらいとれば受かりはします。さらに、行きたい研究室に行くためには少なくとも上位40人に入る必要があると言われています。
以下では各教科の自分の勉強したことについて書いていきます。
英語
TOEFL ITPを当日に受けるかiBTのスコアを事前に提出します。内部の人はほとんど当日に受けてました。スピーキングやりたくないしiBT受験料高いしね。
文法は語研のこれ↓を使いました。そんな難しくないので練習問題軽くさらったぐらい。
リスニングは付け焼刃だけど、どういう質問が出るのかだけ把握しておこうと思って↓の参考書を聴いて練習しました。
- 作者: 宮野智靖,ジョセフ・T・ルリアス,木村ゆみ
- 出版社/メーカー: 語研
- 発売日: 2011/11/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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読解はめんどくさいから勉強しませんでした。ぶっつけ本番でやったけどそんな難しくなかったので時間配分だけ気をつければ問題ないかと思います。
数学
数学は常微分方程式、実関数の積分、線形代数、複素解析、ベクトル解析(幾何)、フーリエ・ラプラス解析、確率統計から出題されます。大問が6つあり、その中から3つ選んで解きます。各100点満点で合計300点満点です。数学の過去問は工学系研究科で共通で、以下のサイト↓にあります。
東京大学大学院 工学系研究科 | 大学院へ入学を希望される方 (一般入試)
僕は本番では常微分方程式・実関数積分、複素解析、フーリエ解析を解きました。計算するだけでラクなので。一応選ぶ予定の教科以外も勉強はしました(確率統計を除く)。時間がないならやらなくてもいいと思います。
数学については授業でやったので院試勉強ではほぼ何もせずに受けました。一応東大の機械科の授業で使った参考書を下に記しておきます。ちなみに機械工学科の数学の授業は『数学1B』と『数学2B』です。他の試験科目についても関連授業を書いていくので↓のサイトの時間割から科目を選んでシラバスを見るといいかもしれません。授業でやってないことは出ない可能性が高いので。
常微分方程式
Key Point & Seminar 工学基礎 微分方程式
- 作者: 及川正行,矢嶋徹,永井敦
- 出版社/メーカー: サイエンス社
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授業で使ったもの。沢山計算できます。そんな難しい問題は出ないしこの本全部はやらなくていいと思います。
線形代数
軽く練習にやっただけ。他の教科も載ってるしアド。
複素解析
授業で指定されてた参考書。これも他の教科載ってるしアド。
フーリエ・ラプラス解析
これを読まなくても複素解析で紹介したやつだけで十分だと思います。フーリエ変換の表式とか与えられるので。
専門科目
専門科目は過去問を見ると全体的にオーソドックスな問題が多く、適当な練習問題(四力精選とか?僕は使ってないので知りませんが)をやれば大丈夫かな、と思います。雰囲気掴むためにも(手に入るなら)過去問もやっておいたほうがいいと思います。
熱工学
機械工学科の授業では『熱工学第一』『熱工学第二』(+『機械分子工学第一』)にあたります。
熱力学と伝熱工学から主に出題されます。たまに統計力学とかからも出ます。今年(平成31年度)はちょっと出ました。
僕は熱工学も伝熱工学もJSMEの教科書を読んで勉強しました。熱力学は化学反応とエクセルギーのとこはやらなくてもいいかと思います。伝熱工学はJSMEの2~4章(伝導伝熱、対流熱伝達、輻射)だけ読みました。後は過去問を数年分解きました。
流体工学
機械工学科の授業では『流れ学第一』『流れ学第二』にあたります。
JSMEで扱われている問題は満遍なく出うるので、全部やっておいたほうがいいと思います。
僕はJSMEの演習流体力学を一周しました。それと過去問数年分。
流れ学第一の授業で指定された教科書も記しておきます(『流体力学1』)。
材料力学
機械工学科の授業では『材料力学第一』『材料力学第二』にあたります。
満遍なく出ます。教科書を買うより機械工学科の泉研究室のページにある材料力学の教科書を演習問題解きながら読むのが一番いいのでは、と思います。→(2021/09/05追記)今見たらなくなってました。Webarchive探したら普通にあった。
僕は材料力学だけ時間なくて何もしなかったのでこれだけ本番ボロボロでした。
機械力学・制御工学
機械力学と制御工学の混合問題とか出たりします。今年は大問二つで一問目が機械力学、二問目が制御工学と綺麗に分かれてました。
機械力学
機械工学科の授業では『機械力学』『機械力学演習』にあたります。
機械力学パートは基本的な古典力学がわかれば問題ないと思います。授業ではニュートンの運動方程式だけではなくオイラー=ラグランジュ方程式にも触れていたのでそちらもできておいたほうがいいと思います。
僕は授業で教科書っぽいのと演習の問題が配布されたのでそれらを使って勉強しました。古典力学ができるならどの参考書でもいいと思います。適当に有名なの貼っておきます。
制御工学
機械工学科の授業では『システム制御1』『システム制御2』にあたります。
過去問を見ると授業でやったところからしか出てないっぽいので、上記の授業のシラバスを授業カタログから見ればやればいいところはわかると思います。僕は該当する部分だけ下記の教科書を読んで演習問題を解きました。ラプラス変換は数学でも出ることがあるので練習するに越したことはないです。
授業で使った教科書と参考書は以下です。
生産設計
機械工学科の授業では『生産の技術』『機械設計』『生産システム』『設計工学』『生産プロセスの設計』にあたります。
範囲広いしコスパ悪いので正直勉強やらなくていいと思います。僕は何もやりませんでした。ある程度はやらなくても解けると思うので。
参考書は以下です。
まとめ
みなさん頑張ってください。
僕は中間試問あったり7月末までレポートあったりで結局院試勉強始めたの8月入ってからになってかなりギリギリ(8月も半分くらい遊んでたので結局材料力学間に合わなかったし…)で大変だったので計画的にやろうね……
点数わかったらまた書くと思います。
追記
合格してました。良かったです。
平均点と最低点が貼り出されてました。
合格者最低点 : 708.0
合格者平均点 : 898.3
でした。各教科の平均点は以下です。
英語 | 197.0 |
数学 | 181.3 |
熱工学 | 92.5 |
流体工学 | 108.2 |
材料力学 | 120.7 |
機械力学・制御 | 109.6 |
機械設計・生産工学 | 89.0 |
流体と材料が高めですね。合格者最低点もここ数年で一番高く700点を超えてます。
やっぱり少なくとも5割取るぐらいの勉強はしないといけないですね。
追記
今年も院試の結果が出ました。今年の結果は次です。
合格者最低点 : 657.0
合格者平均点 : 854.2
でした。各教科の平均点は以下です。
英語 | 195.9 |
数学 | 184.2 |
熱工学 | 84.7 |
流体工学 | 84.6 |
材料力学 | 100.9 |
機械力学・制御 | 101.0 |
機械設計・生産工学 | 103.0 |
なにやら数学が難しかったとか様々な方面から聞いたのですが数学の合格者平均点は寧ろ上がってます。これはつまり数学ができていた人が合格したということなんですかね。
追記
今年も院試の結果が出ました。今年の結果は次です。
合格者最低点 : 572
合格者平均点 : 754.7
でした。各教科の平均点は以下です。
英語 | 190.0 |
数学 | 178.5 |
熱工学 | 50.6 |
流体工学 | 55.3 |
材料力学 | 102.8 |
機械力学・制御 | 87.0 |
機械設計・生産工学 | 90.5 |
オンライン試験に変更されたことから難易度の変化があったのか、かなり平均点が低いですね。
追記
解答の配布は行っておりません。